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及川光博/聖域~サンクチュアリ~(2001)

oikawasanctuare

及川光博。タレントとしてのイメージが強烈過ぎるせいか、歌手としての活動が音楽誌等で評価されることは余り多くない。しかしながら、デビュー以来、自身の愛する70,80年代の歌謡曲、そしてプリンス~岡村靖幸的なファンクを融合した楽曲をコンスタントに発表し続けており、藤井隆の『ロミオ道行』のように、後年、シティポップファンにも再評価される可能性が大いにあると思う。
アルバム1枚につき最低1曲はソウル/ディスコ路線の曲が収録されているので、安心して280円を払えるアーティストとして個人的に全幅の信頼を置いている存在である。

本作『聖域~サンクチュアリ~』は彼の4枚目のオリジナルアルバムで、2001年にリリースされた。名アレンジャーのCHOKKAKU編曲作が3曲も収録されているが、残念ながら3曲ともロック路線。また、筒美京平の書き下ろしが3曲、都倉俊一作曲の郷ひろみのカバーが1曲(「若さのカタルシス」)収録されており、いずれもクオリティは申し分ないものの、シティポップ的な聴き方をするのは難しい。
そんな中でも本作を推したい理由は、オリジナルラブ田島貴男作曲・編曲の「特別なひと」という名曲が収録されているから。
曲調は今流行りの(?)サヴァンナバンド歌謡。田島貴男自身がバックコーラスで参加しているが、声が特徴的で尚且つ声量が大きいため、まるで竹内まりや作品における山下達郎のコーラスのように、田島の存在感が溢れ出してしまっており、田島とミッチー、男と男による濃厚なデュエットを堪能する事ができる。及川光博の20年を超えるキャリアの中でも屈指の名曲だと思う(因みに、及川光博が田島から提供を受けた曲は、後にも先にもこれ一曲のみ。だが、ライブ盤『ツキノヒカリ』において、オリジナルラブの「月の裏で会いましょう」のカヴァーを聴くことができる)。
そのほか、シティポップ的には及川本人の作曲によるミディアム「きれいな嘘」も聞き物。

トータルバランスで言うと、初期の楽曲をまとめた1999年のベストアルバム『ニヒリズム』、2004年作『ヒカリモノ』、2005年作『夜想曲~ノクターン~』辺りをオススメしたいが、280円棚を主戦場としてCDを探す者としては、一曲でも名曲が入っていれば名盤なので、これも名盤として紹介しておきたい。 (F氏)
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Author:light mellow部
輝かしい70~80年代の名盤の影で完全にエアポケットと化した90~00年代産シティポップ。ブックオフとかハードオフでゴミみたいな値段で売られてるCDを執拗に堀漁る重箱の隅みたいなブログです。似たような趣味の人達の集まり共同で書いてます。たまにイベントもやります。名前は、音楽ライターである金澤寿和さんの提唱する「Light Mellow」の概念を拝借しました。
Twitter:@hukihuki5