MINNIE/Ole!(1990)
- 2018/08/07
- 22:59

大きめのアロハを泳がせる風たち それだけで今なら何処までもゆけそう
リトル・ダイナマイトの異名を持つ女性シンガー、ミニー。デビュー時期もパワフルなボーカル・スタイルも似ているから「北のMINNIE、南のGWINKO」と勝手に呼んでいる北の方。北海道のインディーレーベルからリリースされたミニアルバム"ロケット'88"は最近ではオブスキュアな日本のポップスをナビゲーションするレーベルstudio mule(from 青山)のコンピレーションにも収録され、和ブギーブームの青天井を飾る一枚になっている。CBSソニーからのメジャー1st"Rainbow"(1988)は演奏のクオリティ(参加ミュージシャン)からアルバムジャケットまで完璧な作品なので未聴の方は是非チェックして欲しいが、今回紹介するOle!は同レーベルからの3作目だ。
オーレ!というタイトル通り情熱的で伸びやかなミニーのボーカルが楽しめ、アルバムジャケットのイメージ通りメジャーデビューから数年経った風通しの良さを感じさせる。というのも1stの打ち込みなしの強烈でタイトな演奏から、プログラミングの導入という変化もあるだろうし、"Rainbow"では7/10曲、前作"SHERRY MOON"では3/11曲がカバーだったのが今作はすべてオリジナル(ミニー自身のペンによる物も)になったという事も自由さを感じさせる理由だろう。ディスコ・ブギーを基調とした全編ドンシャリなサウンドが印象的だった前作までと比べるとラテンダンサーもあればスパニッシュブギー、シティソウルもあるオーレ!はバラエティに富み、アレンジャー(岩田雅之、中村哲、土橋安騎夫)それぞれの個性も活かされ、ボーカルも表情豊かでミニーのオリジナリティが開花したアルバムだと言える。翌年出たラストアルバム"想い出じゃ眠れない"でブルーズ強めのロックバンド路線に傾倒しているのは個人的には残念に思うが、そういう思い切りの良さも彼女らしさなのだろう。
1.オリエントの楽園 〜Orient Paradise〜 (作詞:横山武/作曲・編曲:岩田雅之)
2.Tonight is mine (作詞:MINNIE,横山武/作曲:MINNIE/編曲:中村哲)
3.MISTERIO (作詞・作曲/MINNIE/編曲:中村哲)
4.PRECIOUS DREAM (作詞・作曲:MINNIE/編曲:中村哲)
5.彼の場合は (作詞:あさくらせいら/作曲・編曲:岩田雅之)
6.ウーン I LOVE YOU (作詞:谷穂ちろる,MINNIE/作曲:高橋諭一/編曲:岩田雅之)
7.TENDER RAIN (作詞:平塚文子/作曲・編曲:岩田雅之)
8.ダメージのその後で (作詞:あさくらせいら/作曲・編曲:土橋安騎夫)
9.恋人の法則 (作詞:あさくらせいら/作曲:都志見隆/編曲:岩田雅之)
10.あなたがふたり (作詞:あさくらせいら/作曲・編曲:土橋安騎夫)
余談ですが、9曲目のAメロがTaylor DayneのTell It to My Heart(1stでカバーしてる)のサビそのままなの、どういうアレなんですか。(タイ)