L3C/I LOVE YOU (1990)
- 2023/05/13
- 21:55

君とおなじ僕かもしれない(帯のキャッチコピーより)
「シャイニンオン・オン 君が哀しい」のヒットで知られるLOOKは爽やかなポップ・ロックが持ち味のバンドだったが、1988年に活動を停止し、同年にはボーカルの鈴木トオルも脱退した。その後、抜けた鈴木に代わって新たに大和邦久が加入し新生LOOKとして再スタートをきるのだが、その際バンド名をL3C(LOOK LONESOME LANE CLUBの略)に改めた。『I LOVE YOU』はL3C名義で出た唯一のアルバムである。このアルバムではメンバーそれぞれが楽曲を持ち寄り、共同でアレンジを施している。サポートミュージシャンには大竹徹夫、百石元、山内薫らの名前が見える。余談だが、L3Cはその後もメンバーが一人ずつ抜けていき、その度に名前を変えている(L3C→The Becauz→BECAUZ)。
元々LOOKは広い音楽的才能を持った人たち(特に山本はるきち)の集まりだから、本人たち次第でどんな音楽もやれてしまうのだが、このアルバムではM5までは従来のポップ・ロック的な楽曲で固めて、M6からは洗練度をより上げてグイグイと攻めてくる流れになっている。結構ハッキリと分かれているため、もしかしたら意図的にそういう構成にしたのかもしれない。だからここでオススメする曲も後半の楽曲群である。美しいメロウバラードM7「Voyage」、白船睦太郎(白船睦洋の変名だと思われる。白船本人のサイトでもL3Cへのサポート活動について言及されている)のベースが粘っこくて最高なミディアムファンクM8「SEXY BLUE」、若々しい勢いに満ちたシティポップM10「やるせない想い」等々。しかし一番ヤバいのはPAZZのようなブラコン・ダンサーをやってみせたM6「Dancin’Shoes」だろう。よく伸びる大和邦久のボーカルもぴったしハマっている(LOOK時代にはボーカルもとっていた千沢仁が完全にコーラスに徹しているのは少し残念だが)。今の方がこの手の曲はすんなり受け入れられるのではないだろうか。L3Cはこの後メンバーが抜けていって名前も変わっていくのは上に述べたが、The BecauzやBECAUZのアルバムも最高なので探してみてほしい。
①I Believe
②クローズ ユア アイズ
③二人きりのメモリー
④さよならは冬の星座
⑤NIGHT FLIGHT
⑥Dancin’Shoes
⑦Voyage
⑧SEXY BLUE
⑨Funny Cry
⑩やるせない想い
⑪FOREVER