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鈴木崇/Sugar Free(1999)

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 僕らは日付変更線をまたぐように 新しい夏を迎える(帯のキャッチコピーより)

 
 シンガーソングライター鈴木崇のアルバム。優しい歌声が武器の彼だが、自分でギター、キーボード、プログラミング、パーカッションをこなす多彩な一面も持っている。大学在学中からバンド活動をし、卒業後プロの道に入り初めて出したアルバムがこの『Sugar Free』。尾崎豊や浜田省吾関連の仕事で知られる須藤晃がプロデューサーを務めている。
 オープニングの「昨日は今日の物語」は彼が小学生の頃に聴き衝撃を受けたという大瀧詠一の影響がストレートに出た一曲。M9「Birthday Rhapsody」にもその嗜好が表れている。というか歌詞にも「カナリア諸島から シベリア鉄道で 恋するカレンに会いに行く途中さ 今日は雨のウェンズデイ」…最早隠す気もないようだ。メロウフォークの趣のあるM2「梅雨入りの日」、M8「星空のカフェ」の二曲も味わい深い。このアルバムのハイライトはM7「Merry-Go-Round」。ヤマタツも好きな鈴木崇のことだから、このタイトルも、もしかしたらそうなのかもしれない。しかしあちらが強烈なファンクチューンに対して、こちらはキンモクセイにも通じるような甘酸っぱくてノスタルジックなシティポップ。売り出しようによってはヒットしていたかも、そう思わずにはいられない一曲。聴いていて笑顔になれるアルバムである。

①昨日は今日の物語
②梅雨入りの日
③23
④キャッチボール
⑤夕陽ヶ丘の夏
⑥心にメロディ
⑦Merry-Go-Round
⑧星空のカフェ
⑨Birthday Rhapsody
⑩ずっと待ってる
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プロフィール

light mellow部

Author:light mellow部
輝かしい70~80年代の名盤の影で完全にエアポケットと化した90~00年代産シティポップ。ブックオフとかハードオフで9割引きみたいな値段で売られてるCDを執拗に堀漁る重箱の隅みたいなブログです。似たような趣味の人達の集まり共同で書いてます。たまにイベントもやります。名前は、音楽ライターである金澤寿和さんの提唱する「Light Mellow」の概念を拝借しました。
Twitter:@hukihuki5

City pop from the '90s and '00s that has completely become an air pocket in the shadow of the glorious '70s and '80s classics. It's a blog like a corner of the box where I relentlessly dig for CDs that are sold at 90% off at Bookoff or Hard Off. It's a group of people who have similar interests and write together. Occasionally we have events. The name was borrowed from the concept of "Light Mellow" advocated by music writer Toshikazu Kanazawa.