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OST/静かなるドン(1993)

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「君はいずれやくざになるだろう」時折、頭をかすめるフックが効いたこのフレーズはfeather shuttles foreverのジュースという曲から。確かに我々にも静かなるドンの主人公・近藤静也の様に「普段は冴えないサラリーマン、その実は広域暴力団の一人息子」という側面があるかもしれない。実生活において音楽の趣味をオープンにしていないが、退勤のタイムカードを切ればブックオフ等で世間的に"やくざ"なシティポップのCDを漁っている自分自身に照らし合わせてそう思ったわけだが。lightmellowbuにレビューを書いている人や、それを読んでいる方にもそんな部分があるのではないだろうか、と思っている。
静かなるドンのサウンドトラックはVシネマ版(TDK盤)、TVドラマ版(イーストウエスト盤)、パーフェクトコレクション版(コロムビア盤)の3つあると認知しているが収録音源はほぼ違っており、今回は昆虫すごいぜ!な香川照之がアルバムジャケットを鮮血で彩るTDK盤("黒いドレスの女"のサントラと並べたくなる方)を紹介する。
いずれのサウンドトラックも大内義昭が担当しているので、他のCDは持っていないがその内容に関しては保証されている事だろう。
大内義昭は1985年に「ダンサブルにTight…そしてハートフルにMellow」なデュオ・DU-PLEXのメンバーとしてデビューし、アルバム1枚の残した後ソロへ移行、アルバム5枚とベスト盤をリリースした。デビュー当時から踊れるAB’Sの様なハードさとメロウネスを掛け合わせた作風を得意とし、楽曲提供も数々こなしている。代表的な作品としては「小比類巻かほる-City Hunter〜愛よ消えないで〜」なのだが、今回のサウンドトラックも彼女の作品をロスでレコーディングした直後に録音されたものだとライナーに書かれてあった。
Tight & Mellow、「物語上のやくざ」のサウンドトラックとしてこれだけしっくり来るものはないのではないか、というくらい大内義昭の楽曲がマッチしている。不穏なシンセベースと艶っぽいギターとストリングスが交錯するM.1から既に素晴らしい。男女の小意気なスキットから始まるサックスソロが超絶アーバンなM.3(この後も男女の英会話は頻繁に差し込まれる)。大内の2ndから収録のM6はt e l e p a t h テレパシー能力者好き感涙必須のアーバン・ブルース。M.8では流麗なサックスソロから一転フリーキーなロックサウンドに展開するドンらしさも披露。そして、締めに収録されているVシネ版テーマソングM.12はエネルギッシュなシティポップ・アンセムで、子供の時分に関テレの再放送で見ていたドラマ「お金がない!」で織田裕二が歌っていたOVER THE TROUBLEに似たバイブスがあり清々しい気持ちで再生を終了できる。
大内義昭のソロ関連は何故か中古相場が全体的に高く、この静かなるドンもTVドラマ版を除いては異常に高騰しているので安値で見つけることができれば買いだと断言する。そして、君はやくざになるだろう。(タイ)

1. 静かなるドン(プロローグ)(作曲・編曲:大内義昭・堤秀樹)
2. あなたの微笑み見たいから(作詞・作曲:大内義昭/編曲:大内義昭・堤秀樹)
3. 薔薇の名前(作曲・編曲:大内義昭)
4. 嵐が丘(作曲・編曲:大内義昭)
5. 百年の孤独(作曲・編曲:大内義昭)
6. ベイブリッジ・ブルース(作詞・作曲:大内義昭/編曲:駒形弘行・大内義昭)
7. 存在の耐えられない軽さ(作曲・編曲:大内義昭)
8. 変身(作曲・編曲:大内義昭)
9. 武器よさらば(作曲・編曲:大内義昭)
10. 罪と罰(作曲・編曲:大内義昭・堤秀樹)
11. 静かなるドン(エピローグ)(作曲・編曲:大内義昭・堤秀樹)
12. Shaky Lover(作詞・作曲:大内義昭/編曲:大内義昭・堤秀樹)
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プロフィール

light mellow部

Author:light mellow部
輝かしい70~80年代の名盤の影で完全にエアポケットと化した90~00年代産シティポップ。ブックオフとかハードオフで9割引きみたいな値段で売られてるCDを執拗に堀漁る重箱の隅みたいなブログです。似たような趣味の人達の集まり共同で書いてます。たまにイベントもやります。名前は、音楽ライターである金澤寿和さんの提唱する「Light Mellow」の概念を拝借しました。
Twitter:@hukihuki5

City pop from the '90s and '00s that has completely become an air pocket in the shadow of the glorious '70s and '80s classics. It's a blog like a corner of the box where I relentlessly dig for CDs that are sold at 90% off at Bookoff or Hard Off. It's a group of people who have similar interests and write together. Occasionally we have events. The name was borrowed from the concept of "Light Mellow" advocated by music writer Toshikazu Kanazawa.